Pitch Design(ピッチデザイン)とは?
ピッチングにおいての、『テスト』→『評価』→『アジャストメント』を動画と投球解析データを用いて繰り返し行うプロセスを指す。
ピッチデザインの主な2つのゴール
・現在の球種の精度を高める
・全く新しい球種の習得
『感覚』と『リアル』のを区別を行い、その投手が保有している球種の背景を深く理解することで、コーチやスタッフは具体的な個別化された指導が可能となり、投手のパフォーマンスを向上に役立ちます。
ピッチデザインでは、その投手にとってベストな球種を習得するため、それぞれの球種とその他の球種のバランスなどを細かく分析を行い結果としてパフォーマンスアップを向上させます。
なぜピッチデザインが有効なのか?
「ピッチデザイン」というと、全く新しいコンセプトに聞こえるが、上記の『評価』と『アジャストメント』のプロセスは皆さんもこれまで経験されてきたに違いない。また、これまで選手とコーチの間で何度も行われてきたことであるはずだ。
しかし、そこに投球解析ツールが加わることで、より正確に投球分析が可能となり、またそれと同時にセッション中に瞬時に投手へ意味のあるフィードバックの提供が可能となるため、パフォーマンスアップに繋げることができる。
さらに、計測で投球データの可視化が可能となったことは、そのボールが『改善』、または『停滞』しているのかを誰かの「主観や当て勘」に頼ることなく判断ができるため、効率的にセッションを進められることを意味する。
言い換えれば、これまで偏見や経験則に頼った指導からの脱却が可能となり、また長期間の反復で得られる複合的なパフォーマンスアップを待つ必要はなくなったと言える。
ピッチデザインの基本構成である、投球解析ツールとカメラを組み合わせて活用することは、『ボールの変化』、『リリース時のスロー動画』、『投手の感覚』を統合を可能とし、さらにそこへ瞬時に細かいフィードバックが加わるため従来とは比較にならないほど選手とコーチ間での情報共有が明確となり、それをもとに新たな球種の習得が容易なります。
ピッチデザインで使用する機材
アスリートを指導するにあたり、なぜこのようなコンセプトが重要なのか理解を深めるの同時にピッチデザインにおいて、キーとなる投球解析ツールを紹介します。
ブルペンで使用できる技術、またはアマチュア環境でよく見られるテクノロジーとして、代表的なものはトラックマン、もしくはラプソードピッチング2.0ではないでしょうか。
ラプソードが算出する指標はユーザーフレンドリーであり、専門的なデータアナリストが不在でも十分理解できます。
ラプソードは以下を計測します。
・球速、回転数、回転方向、回転効率、ブレイク
その他にもホークアイ、テクニカルピッチなど様々な機器があるが、これらの機材は投球データを吐き出す計算機でありそれ以下でもそれ以上でもないです。
※使用する機材の精度や癖などをよく理解しておくのも重要です。
プロレベル(MLB)の施設ではトラックマンやホークアイなどが採用されており、これらの試合データはBaseball SavantやBrooks Baseballで確認できる。
こういったパブリックデータは、コーチや選手が理想のボールを追い求める際、投球と変化を詳細に説明されプロファイルは、重要な指標となる。
これについては、後日詳しく説明をします。
カメラテクノロジー
ピッチデザインプロセスにおいてラプソードなどの投球解析ツールと同じくらい重要なテクノロジーはハイスピードカメラです。カメラはリリースの際どのようにボールが放たれているのか選手に説明するうえで不可欠です。
ほとんどのメジャー球団やDrivelineなどの有名施設では、ピッチデザインセッションはもっぱらEdgertronicカメラが採用されております。
但し、ボールリリースを正確に測定する競合製品もいくつかあります。
・Sony RXⅦ、
・Chonos 1.4など
最も身近なカメラとして iPhone などがありますが、上記カメラに比べてスペックや機能が限られているため、1000 FPS で撮影できるカメラをお勧めします。
800~1000FPS(一秒間に1000枚)のカメラスペックであれば、リリースを撮影した際、ピッチャーの手からボールがどのように離れているのかを鮮明な動画で確認できるため、選手とコーチ間でそれを共有することで素早い調整が可能となります。
ピッチデザインであると便利な機器
・スピードガン
・スピードガンのディスプレイ
有名施設やメジャー球団では、投球解析ツールを設置する際、スピードガンも単体で設置するようにしています。
理由としては、ラプソードやトラックマンなどの高性能投球解析ツールは時折、誤計測やキャリブレーションミスを起こした際、スピードガン単体で計測していることで、投球解析ツールが正しく動作しているのかを直ぐに判断可能となるからです。また、これにスピードガンによって、投球解析ツールででた数値の妥当性にも判断が可能となります。
スピードガンの数値を大きなディスプレイで表示することについて、ラプソードやトラックマンで測定した際、データ算出までに若干タイムラグがあるのですが、ディスプレイは瞬時に閲覧可能なため、セッションの効率化が期待できます。
ピッチデザインセッション中にスピードガンを設置するメリットをいくつかご紹介します。
ラプソードやトラックマンなどの高性能投球解析ツールは時折、誤計測やキャリブレーションミスを起こします。
その際、スピードガン単体で計測していることで、投球解析ツールが正しく動作しているのかを直ぐに判断可能となるからです。